スウェーデンの「幸せを運ぶ」伝統工芸品、ダーラヘストを知ろう
Updated 2024-09-06目次
北欧、スウェーデン。そんなスウェーデンに「幸せを運ぶ」と言われている伝統工芸品があることを知っていますか?
Dalahäst(ダーラヘスト)は、スウェーデンを代表する伝統的な木製の馬の彫刻で、その美しい彩色とユニークなデザインで知られています。
スウェーデンのダーラナ地方で生まれ、その背後には長い歴史と伝説をもつダーラへスト。なぜこの木製の馬は「幸せを呼ぶ」と称されるのでしょうか?
この記事ではその理由や歴史、作り方についてご紹介します。
ぜひ、最後までお読みください。本ページはプロモーションが含まれています。
スウェーデンの誇る伝統工芸、ダーラヘスト
スウェーデンのダーラナ地方を象徴する、カラフルで魅力的な木彫りのダーラへスト(ダーラナ馬)。「幸せを運ぶ馬」とも称され、観光客や地元の人々にとっても特別な存在です。
その名前は、ダーラナ地方を示す"Dala"と馬を意味する"häst"から。
手作りの温もりと色鮮やかなペイント、そして幸せを運んでくると言われるその存在が、人々を引きつけます。
赤いペイントで塗られたクラシックなダーラヘストには、Kurbits(クルビッツ)と呼ばれる花模様が施されています。その一方で、現代では白、ピンク、ブルーなど、多種多様な色のダーラヘストが作られており、自分の好みに合ったものを選ぶこともできます。
ダーラヘストは縁起がいいこともあり、プレゼントとしてもおすすめ。出産祝いや誕生日のプレゼントとしても選ばれることが多いです。
ダーラヘストの歴史|なぜ幸せを呼ぶの?
諸説ありますが、ダーラヘストの起源は16世紀まで遡ります。冬のスウェーデンは寒さが厳しく、日照時間も短い。そんな時期に、ダーラナ地方の家具職人たちは、ストーブの前で木材の切れ端を削って「おもちゃ」を作り始めたのが、起源とされています。
ダーラナ地方では、馬は木材の運搬をはじめとする日常生活に欠かせない動物であり、その豊かさを示す象徴でもありました。こうした背景から、木彫りのおもちゃとして始まった制作は、次第に馬をモチーフにした作品へとシフトしていきました。
さらに19世紀の大飢饉の時、ダーラヘストは生活を支える一端を担うことに。食べ物が手に入らない厳しい冬の間、人々は手作りのダーラヘストを使い、食物と交換したのです。
これにより、ダーラヘストは家族の生活を守る「幸運のシンボル」へと変貌を遂げ、その後も地域の象徴として人々に親しまれるようになりました。
ダーラヘストの作り方|職人の手仕事による一点もの
まず素材となる木の選定から。
木材の硬さや色合いなどが考慮され、木材を選んだら、大まかな馬の形に削り、鬃や尾、足元の細部まで、手で丁寧に削り取られます。
この手作業により、一つひとつ異なる表情を持つダーラヘストが生まれるのです。
最後に彩色。馬の胴体に描かれる伝統的な模様「クルビッツ」は、一つ一つ手描きで描かれます。デザインは、地域や職人によって微妙に異なりますが、その基本的な形は、数百年前から変わらず、受け継がれているのです。
選べる「ダーラヘスト」グッツ
ダーラヘストは、様々なサイズとスタイルで製作されています。
小型のものは5cm程度、大型のものは30cm程度で、それぞれが空間に彩りを加えるアクセントとして人気。特に大型のものは、部屋の主役として存在感を発揮します。
最近では、ダーラヘストのモチーフを用いたグッツも多く登場。キッチンタオルや木製ナイフ、鍋敷きやエプロンなどのキッチングッツ、さらにはコットンバッグやエコバッグなど。幅広いアイテムがラインナップからお気に入りを見つけてみてください。
ダーラヘストと旅行|訪れるべきスポット
スウェーデンを訪れるなら、ダーラヘストを作る工房を訪れるのもおすすめ!ダーラナ地方のNusnäs(ヌースネス)やMora(モーラ)には、今でも伝統的な製法でダーラヘストを作る工房があります。
ヌースネスにある「グラーン・オル・オルソン」は、最も古いダーラヘスト製作所の1つ。ここでは見学者が職人の作業を間近で見ることができます。また自分で描く体験もでき、その場で作ったダーラヘストを持ち帰ることも可能。
一方、モーラにはダーラヘストの博物館があり、数百年の歴史を持つ古いダーラヘストから現代の作品まで、幅広いコレクションを見ることができます。見ているだけで、ダーラヘストの深い歴史と文化が感じられるでしょう。
ダーラヘストを訪ねる旅|幸せを運ぶ馬との出会い
スウェーデン、特にダーラナ地方を訪れるとき、ぜひダーラヘストを手にとってその魅力を実感してみてください。
その手に馴染む温もり、手作業で描かれた細やかな装飾、そして何よりも幸せを運んでくれると言われるその存在は、お土産としてだけでなく、ご自身のご褒美としていかがですか?
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